|
|
||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||
関口支店長が田辺課長に市場金利の動向について質問した。 「今後の金利の動きはどうかね?」 「アメリカの経済の状況からみて、ここしばらくはドル金利が上昇すると見ています。 アメリカ経済は好調ですし、ニューヨーク株式市場も上昇傾向ですね。だから、少し引き締め気味にしてくると思います。」 田辺課長が答えた。 ![]() ![]() ごく一般的に言うならば、それぞれの国で景気が良くなると、その国の中央銀行は、金利を上げる。 逆に景気が悪くなると、金利を下げる。 ![]() ![]() 「そうだな。私も田辺くんと同じ意見ですね。」 篠原副支店長も関口支店長の質問に答えた。 関口支店長が質問を続けた。 「じゃあ、ドル金利が上昇すると仮定して、そこから収益をどのように生み出すかだ。」 田辺課長が答えた。 「単純に言って、二通りの戦略があります。 それは、全く逆の戦い方ですが。 『取る』方法と『出す』方法です。」 ![]() ![]() 金利の取引の場合、『取る』とはその時の市場金利(マーケット・レート)で資金を借りることだ。 『出す』とはその時の市場金利(マーケット・レート)で資金を貸し出す(他の銀行に預金する、銀行間取引で資金を預ける)ことだ。 ![]() ![]() 田辺課長が続けた。 「ドル金利が上昇すると仮定した場合に、その時の市場金利(マーケット・レート)で資金を『取って』、後で思惑(おもわく)通りに金利が上がってから資金を『出せ』ば利益になります。これが『取る』方法です。」 金利が安い時にお金を借りておいて、金利が上がったら、その高い金利で誰かに貸付ければ、その利鞘が利益になるということだ。 田辺課長が立ち上がって、窓際にあるホワイト・ボードに黒のマジックで計算式を書きながら話を続けた。 「具体的に元本を1億ドルにしましょう。 タイム・ラグ(時間的なずれ)がありますから、そう単純な計算にはならないのですが、便宜上、単純に想定しましょう。 現在の1年の金利が7パーセントとします。 この7パーセントで1億ドルの資金を『取って』、8パーセントに上昇してから『出す』と、 [(8%−7%)x 100,000,000 = 1,000,000 ] 一年間で百万ドルの利益になります。」 俺は 『なるほど。』 と思って聞いていた。 田辺課長が話を続けた。 「逆の『出す』方法は、イールド・カーブ(金利曲線)を利用する方法です。 仮に、オーバー・ナイト金利が6パーセント、1年が7パーセントとしましょう。」 ![]() ![]() オーバー・ナイト(Over/Night, O/N)とは、今日から明日にかけての一日の資金の貸し借りのことだ。 あくまでも一般的な状況の場合だが、オーバー・ナイト金利が一番低金利で、期間が長くなるに従って金利は高くなる。 だから、縦軸に金利の高低を、横軸にターム(Term, 期間)をとると、イールド・カーブ(金利曲線)は右上がりのグラフになるのが普通だ。 お金を借りる際に、借金の期間が長くなると金利は高くなる。 銀行にお金を預けるときに、預け入れの期間が長くなると金利は高くなる。 常識で考えた方が分かり易い。 ![]() ![]() 「1年を7パーセントで『出します』。 これをオーバー・ナイトの6パーセントでカバーすると、一日につき、1パーセントの利鞘が入ります。 わかりやすく、これも、元本を同じ1億ドルにしましょう。 すると [(7%−6%)× 100,000,000 ÷ 360 = 2,777.78 ] ということになり、一日につき2,777.78ドルの利益が手に入ることになります。 ということは、一年を360日で計算しますと、 [2,777.78x360 =1,000,000.80 ] 一年間で同じく百万ドルの利益になります。」 ![]() ![]() 慣行で、ドル金利の短期金融市場では1年を360日ベースで計算する。 ![]() ![]() |
||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||