時評[1]
俳句は社会を斜めから見たもの
過日テレビで、ご存知天野祐吉氏が次のようなことを言っていた。
「四国松山に<よもだ>という方言がある。その意味は、物事を真正面から見ずに斜めから見る。いわゆる、やじ馬精神から生まれた言葉であろう。松山が俳諧の盛んなことも頷ける。私の大好きな言葉の一つだ」というのである。
私も、松山がなぜ俳句が盛んであるか以前から興味をもっていたので、これで納得した。
10月下旬、私は旧中山道を歩いてきた。なぜ、今更この街道を選んだのか。その一つは、街道から若干入り込んだ地域に安曇野があり、この地域には10数か所に亘って道祖神が点在するほか、昔の風情を色濃く残していること。
もう一つは、木曽路で、ここは地元の人達によって宿駅に関する史跡史料が残されていて、北海道の宿駅(駅逓)の研究上参考になる点が多いのであろうと思ったことからである。
実際には私が最初考えたほどの史料等は残っていなかったが、山路は、江戸時代にタイムスリップしたような自然そのものであり、急坂を歩く疲労も消し飛んだ。
「駅逓情報」第3号(1996/12/15)掲載